ふとしたときに。

 セマルドは遠巻きに、テオが待ちぼうけしている姿を見つけた。
 建物の壁にゆったりと背を預け、少し退屈そうな表情で佇んでいる。
 待たせたかもなぁ、と思いつつ、セマルドは足早に近づいていった。気配と足音に気がついたのか、テオのまつげがぴくりと揺れる。
 背を浮かせたテオ。
 近づいてくるセマルドの方に、横目で見るように顔を向けた。
「おせーよ」
 テオのくすんだ紫色の瞳が、セマルドを気怠げに見つめる。
 長めのまつげ。細い眉。きめの細かな肌の首筋に、黒い髪糸がそっと寄り添う。テオが首を傾げると、サラサラと落ちて表情を変えていた。
 すっととおった鼻筋に、薄くも形のいい唇。存在感があるものの、野暮ったくも、くどくもない。
 まるで意図的に整えられた彫刻の造形のようだ。
 ——いやコイツ、無駄に顔良いなっ!?
 セマルドは妙な敗北感を背負った。
 自分の目の前で、かたまっている友人を不思議そうに眺める、テオだった。




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