▶︎ キャラクター紹介
冥界 第八話 救出
埃臭く、古さが時間を問わず空気として漂う室内。 リベルは中立図書館の中でも、この空間が特に好きだった。 職員の中でも一定以上の勤続年数がないと入室の許可を得られない、特別書庫。冥界中の様々な禁術に関する書物が収められ保管されているそこは、こ...
冥界 第七話 感染源
背後で扉がしまっていく。外の光は細くなり、徐々に消失していき、それと同時に周囲の音もなくなった。 腰のポケットを暗闇の中で探る。硬質な棒状のそれを探し当て、するりと抜くと、緑色の淡い光が生まれた。 木製の柄に鉱石を加工して作られた小型のナイ...
冥界 第六話 ルゴスの記憶
カロメティオが一週間ぶりに中立図書館を訪れた時、そこは最早、以前来た時とは様子がまるで違っていた。 中立図書館は、他の施設からはやや離れた場所に位置していて、街中の喧騒からも程遠い。施設から少し離れた場所からでも騒がしいなとわかるほどに、異...
冥界 第四話 泥棒
冥界の気候は、基本的にほぼ一定を保つのが特徴である。 今日も今日とて、穏やかな灰色と赤色に染まる空の下——地に這っていた霊素が上り明るくなると、冥界の住民たちはその日の生活を始める。 悪魔領の街の一角。様々な食糧品を売っている店先に、カロメ...
腐りゆく書に、願いを 第二話 異界研究
「異界から、冥界への侵略行為が行なわれかけたことが何回かあるのは、知っているだろう?」 トワユは首肯する。「知ってる。大昔からあったけど、そのたびに冥界は難を逃れてるとか。熱心な異界信仰者がやらかすことも、あるんでしょ?」「そう。元々は反メ...
腐りゆく書に、願いを 第一話 冥界史
――我々がいるこの世の名を、『冥界』という。 冥界は生きており、常に循環を繰り返している、というのは現・冥界女王メレヴィア・オラム・シエオルの御言葉であるが、だとすれば、この冥界という生き物の体内は途方もなく広い。 端から端までを目で見たと...