冥界

ヴィドラ・ザガンの憂鬱

悪魔族戦闘員組織の中でも、上層の幹部に位置する六人で構成されているカルマロス。 その中でも異質な存在感を放っているのが、ヴィドラ・ザガンだ。 彼は人や物事を「意のままに操る」ことを得意としており、戦闘任務以外でも、参謀や族長から直々に命を受...
百ノ雨粒

百ノ雨粒 005

とん、と誰かに肩をつつかれる。すると声が一音だけ耳元に響く。て。今日はそう聞こえた。また別の日には。こ。少し前にも聞いた音だ。振り返っても誰もいない。その前は、き、とか、ち、とかだったのを覚えている。ひとつまえもうひとつ百ノ雨粒トップ
あの世四界

大閻羅と七閻魔

ここは、重き魂がたどり着くあの世——落界(らっかい)。 人の世では、地獄、冥府、はたまた黄泉と様々な言葉で表されているが、罪を抱えて“落ちる場所”であることに変わりはない。 今日も今日とて、落界の裁判の場に立たされる、落ちた魂がひとつ。彼の...
百ノ雨粒

百ノ雨粒 004

主人を裏切り、敵を焼き、男はようやく頂点の座についた。そんなにうちが欲しかったんどすなぁ。煙の向こうから女の笑い声が聞こえた気がした。けど残ったんは灰だけどすえ。時は経ちすぎていた。都が、燃えている。ひとつまえもうひとつ百ノ雨粒トップ
冥界

ふとしたときに。

セマルドは遠巻きに、テオが待ちぼうけしている姿を見つけた。 建物の壁にゆったりと背を預け、少し退屈そうな表情で佇んでいる。 待たせたかもなぁ、と思いつつ、セマルドは足早に近づいていった。気配と足音に気がついたのか、テオのまつげがぴくりと揺れ...
百ノ雨粒

百ノ雨粒 003

数年前に父を亡くしてから、家の食卓は母と二人きりになった。雨が降ると、私の斜め前の席に母がお膳を並べるのも慣れた。母は嬉しそうだ。だがそこに座っているのは父ではないということだけを、私は知っている。🎵 音で読む(インスタ)ひとつまえもうひと...
冥界

腐れ縁の二人

ヴィドラがグラスをゆるく傾けたその隣で、ラキーザとファビルはそろってジョッキをあおる。 まるで息があっている二人の仕草に、ヴィドラは目を細めた。「お二人は、付き合いが長いんだったね」 ヴィドラのその言葉に、ファビルは難しい顔をした。 すかさ...
一遍

羊の角に糸を貸す

お前のことを探している女がいるぞ、という話をセマルドセマルド・レカム悪魔族。外見年齢二十代前半の男。紋様術の使い手で、戦闘員。詳しくはキャラクター紹介ページへ。が聞いたのは、行きつけの酒場でのことだった。 いち戦闘員としての任務終わり。いつ...
百ノ雨粒

百ノ雨粒 002

ペン一本で線を引き続けていると曲がったり、ぐるぐるとしてしまったり。か細い時もすべてを塗り潰してしまいそうな時もある。そしてある時インクが無くなり線は途切れる。でも新しいペンをまた握る。私が在る限り。ひとつまえもうひとつ百ノ雨粒トップ
百ノ雨粒

百ノ雨粒 001

夜行列車に乗った時のことだ。風を切る音に混じり聞こえる呼び声。覚えがある気がして、駅に着いてからホーム沿いに遡る。それは列車の横腹に張りついていた。ひしゃげた首が振り子の様だった。もうひとつ百ノ雨粒トップ