百ノ雨粒

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ペン一本で線を引き続けていると曲がったり、ぐるぐるとしてしまったり。か細い時もすべてを塗り潰してしまいそうな時もある。そしてある時インクが無くなり線は途切れる。でも新しいペンをまた握る。私が在る限り。ひとつまえもうひとつ百ノ雨粒トップ
百ノ雨粒

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夜行列車に乗った時のことだ。風を切る音に混じり聞こえる呼び声。覚えがある気がして、駅に着いてからホーム沿いに遡る。それは列車の横腹に張りついていた。ひしゃげた首が振り子の様だった。もうひとつ百ノ雨粒トップ
冥界

第八話 救出

埃臭く、古さが時間を問わず空気として漂う室内。 リベルは中立図書館の中でも、この空間が特に好きだった。 職員の中でも一定以上の勤続年数がないと入室の許可を得られない、特別書庫。冥界中の様々な禁術に関する書物が収められ保管されているそこは、こ...
冥界

娘は、知っている。

ネフィラが見守る中、ザヴァは相変わらず、手際の良さを見せつけるように料理を作り、飲み物をいれていく。 カウンターから見えるオープンキッチンは、ザヴァひとりしかいないのに、まるで数人で切り盛りしているようだった。 棚には多くの酒瓶。 似たよう...
冥界

第七話 感染源

背後で扉がしまっていく。外の光は細くなり、徐々に消失していき、それと同時に周囲の音もなくなった。 腰のポケットを暗闇の中で探る。硬質な棒状のそれを探し当て、するりと抜くと、緑色の淡い光が生まれた。 木製の柄に鉱石を加工して作られた小型のナイ...
冥界

第六話 ルゴスの記憶

カロメティオが一週間ぶりに中立図書館を訪れた時、そこは最早、以前来た時とは様子がまるで違っていた。 中立図書館は、他の施設からはやや離れた場所に位置していて、街中の喧騒からも程遠い。施設から少し離れた場所からでも騒がしいなとわかるほどに、異...
冥界

第五話 青く黒い本

寄贈された本の整理整頓が終わった翌日。 開館されたばかりの中立図書館には、すでに多くの利用者がやってきていた。 リベルやトワユのような司書たちが、本の案内などをする傍らに、館内案内役の職員も忙しそうに走り回り、事務担当の職員は書類と睨めっこ...
冥界

第四話 泥棒

冥界の気候は、基本的にほぼ一定を保つのが特徴である。 今日も今日とて、穏やかな灰色と赤色に染まる空の下——地に這っていた霊素が上り明るくなると、冥界の住民たちはその日の生活を始める。 悪魔領の街の一角。様々な食糧品を売っている店先に、カロメ...
冥界

第三話 寄贈

カロメティオが帰った後、トワユは特別書庫へと向かった。 一般公開はほとんどされていない書庫の入り口に、警備員が真面目な顔をして立っている。 見知った顔が近づいてくるのを見て、警備員が会釈。形式的に入室許可証を見せるトワユ。 警備員に許可証を...
冥界

猫草ジャック

ある日のことである。 ニノレムが暮らす毒蟲の森に、ジャックが立ち寄った。毒蟲だらけのその空間も、植物を操る彼にとっては居心地が良い。 鼻歌まじりに、迷うことなくニノレムの家を目指すジャック。 やがてたどり着くと、いつものように木の扉を開いて...